| 湖南市図書館協議会委員OB・有志の会 |
湖南市の社会教育としての 「図書館」を考える集い
第 5 回 2025年 7月12日 開催 |
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これからの社会教育施設 (前回のまとめ)
・図書館は社会教育という「教育」に一番重点を置いた施設です。より柔軟で多様な学びの場として進化させること、リアルな体験の場をいかに提供するかが重要です。
・地域での役割は、地域社会との連携を深め、その社会課題に貢献する場としての機能を強化することです。居場所としての役割は増加しています。
・課題は、活動資金の確保と地域のニーズの堀り起こしです。そして「地域が施設を育てる」ことを意識します。これは「市民の責任」でもあります。
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2,
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図書館をめぐる国の方針
・国は、急激に変化する時代に必要となる資質・能力を育むためには 読解力、思考力、表現力等を養う読書活動は不可欠だとしています。
・社会の変化等への対応をはじめ、図書館の運営の充実は喫緊の課題です。家庭、地域、学校等の連携・協力によって、社会全体で読書環境を充実させようとしています。
・図書館は教育、とくに「こどもまんなか」社会(※)に基づく方針へと大きくシフトしています。
※「こどもまんなか」社会:子どもの最善の利益を第一に考え、子どもに関する政策を社会の中心に据えるという考え方
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3,
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「地域が育てる社会教育施設」とは
・図書館は、市民の学びの場であると同時に、地域のアイデンティティーや文化、個性を生み出すことを通じて、地域への愛着(満足度)を深める存在です。そのためにも「地域が育てる」のです。
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4,
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これからの図書館、これからの私たち
・私たちは支援者となって、図書館を単なる行政サービスの提供拠点から、地域コミュニティへの核へと進化させます。
・支援者の意義は、地域とのつながりの強化、運営の補完と多様化、施設の活性化と魅力向上、公共施設の信頼性の向上、学びや成長の機会の獲得等があります。
・支援者の存在は公共施設にとって非常に重要です。市と共に、細く長く継続した活動が期待されます。
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| ◆ 要 約 ◆ |
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1, これからの社会教育施設 (前回のまとめ)
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①学びの場として
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図書館は基本的に、社会教育という「教育」に一番重点を置いた施設です。学びの場としての存在感を出さなければなりません。そこでテクノロジーの活用や、地域のニーズへの対応を中心に、より柔軟で多様な学びの場として進化させます。どの年齢層にも対応できるようなプログラムを充実させ、より多くの人々がアクセスしやすい(=物理的な壁など、ハードルを減らした)教育を提供します。なお、リアルな体験の場をいかに提供していくかが重要です。ただしこれは合理的・効率的とは相反します。
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| ②地域での役割と課題 |
| 地域での役割は、地域社会との連携を深めて、その社会課題に貢献する場としての機能を強化させることです。居場所としての役割は増加しています。課題は、活動資金の確保と地域のニーズの堀り起こしです。そして「地域が施設を育てる」ことを意識します。これは「市民の責任」でもあります。
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| 2, 図書館をめぐる国の方針 |
| ①社会情勢の変化と対応の方向性 |
社会は今、人口減少、少子化の深刻化、地域コミュニティの希薄化が進み、デジタル化・グローバル化が進展して、具体的な将来予測が困難です。その対応の方向性として、①人生百年時代への対応、②共生社会、③「こどもまんなか」社会の実現、という3つの柱が示されています。施策の方針として中心になっているので、図書館も当然この方針の中に巻き込まれている部分があります。
(「こどもまんなか」社会=子どもの最善の利益を第一に考え、子どもに関する政策を社会の中心に据えるという考え方)
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| ②「読書」をめぐる現状と課題 |
| 国は、急激に変化する時代に必要となる資質・能力を育むためには 読解力、思考力、表現力等を養う読書活動は不可欠だとしています。ところが不読率(1か月の間に1冊も本を読まなかった者の割合)は、子どもも成人も共に上昇傾向にあります。また、「視覚障碍者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)等を踏まえた読書環境整備が必要だとしています。
子どもの校種別不読率(R5年):小学校8.5%、中学校23.4%、高等学校48.3% 大人(16歳以上)の不読率(R5年):62.6%、 (H14年は37.6%)
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| ③具体的な計画 |
第5次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」は、すべての子どもたちが読書の恩恵を受けられるよう、社会全体で子どもの読書活動を推進する計画です。その基本的方針は ①不読率の低減、②多様な子どもたちの読書機会を確保、③デジタル社会に対応した読書環境を整備、④子どもの視点に立った読書活動の推進、となっています。多様な子どもの読書活動の推進には、さまざまな機関や人々との連携・協力が不可欠ですが、中でも学校図書館と公立図書館間の連携・協力体制の強化が極めて重要だと言われています。
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第4期「教育振興基本計画」にも図書館のことが関連して書かれています。こちらは2040年以降の社会を見据え、持続可能な社会の作り手を育成する、としています。ならば社会教育を通じて、持続的な地域コミュニティ、地域の人たちの絆を形成していかなければなりません。そのためには社会教育の拠点として図書館が果たす役割を明確化させ、地域住民の意向を運営に取り入れることによる機能改革が重要で、社会的包摂の観点からの対応が求められます。
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なお、他にも学校教育の情報化や、図書館や読書にちなんだ法律がたくさん作られています。つまり国は、社会の変化等に対応するには、図書館の運営の充実は喫緊の課題だと考えています。家庭、地域、学校等の連携・協力によって、社会全体で読書環境を充実させなければならない、というのが、いろんな計画などを通して言える国の方針になります。
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④第3次「湖南市子ども読書活動推進計画
~湖南市『読書の魅力』種まきプラン~」 |
この計画は、子どもたちが本と幸せな出会いをし、本に親しみ、本を楽しむことができるよう、また読書活動を通して生きる力を育むことができるよう取組みを進める、としています。
湖南市では滋賀県市長会で「学校図書館支援センターの取組みにより、市内の子どもたちの読書の関心が高まり、居場所となり、学校図書館とその機能を活用した授業が日常化する、という成果があった」と報告をされたそうです。
湖南市の取組みや国の方針からもお分かりのように、図書館は教育、特に「こどもまんなか」社会に基づく方針へと大きくシフトしています。
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| 3, 全国の図書館の様々な取組み |
| 図書館の実践事例集には全国の様々な取組みが紹介されています。例えば、夏休み図書館お泊り会、図書館と美術館の連携によるイベント、子ども司書クラブ、図書館を使った調べもの学習コンクール等々があります。
富山市立図書館は今、すごくホットな図書館として知られています。斬新かつ魅力的な建築デザインで隈研吾が設計しました。閲覧スペースは、パソコン専用席などを含め500席あります。また図書館だけではなくガラス美術館、カフェ、銀行などが入る複合施設で、観光地としても人気です。ただ、どの館にも良い面悪い面があるので、いろんな例を参考にしっかり考えて頂けたらと思います。
敦賀市の駅前商業施設には『ちえなみき』という公設民営型の書店があります。市が駅前再開発をする際、市民との話し合いで「居場所が欲しい」、「知恵、知識の賑わいがある所がよい」という声から作られました。公立図書館に近い部分もあって、人々が長居をする、勉強することに非常に寛容です。こちらも非常に注目されていて、年間30万人以上が来店する、本にまつわる場所になります。
これらの例からも、図書館は本を中心に置いたその周りの環境に関して「こうあるべき」という部分がかなり薄まって、多様性のあるものになってきています。皆さんが図書館を考える際は、まず「湖南市にはこういう活動をするところがあるといいね」というビジョンを持つことがポイントだと思います。
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4、「地域が育てる社会教育施設」とは
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| 地域というのは、いろんな要素(自然的、人文的、社会・経済的、政治・行政的、地域のつながり・ネットワーク)で構成されています。そのような中、社会教育施設である図書館は、市民の学びの場であると同時に、地域のアイデンティティーや文化、個性を生み出すことを通じて、地域への愛着(満足度)を深める存在でもあります。ですので、そうであるために「地域が育てる」ことになります。
ここで言う「地域」とは、いわゆる自治体のエリアや、そのエリア内の地域コミュニティ(自治会や在所)、その自治体に住む個々の人々、それからこの自治体に対して興味・関心や愛着を持ってくださる、自治体の内外に存在するすべての人々(企業、団体、学校等、個人など)を含めて、私は「地域」と呼んでいます。
なぜなら人口減少、高齢化の中、求められる役割は増大し多様化しています。市の人たちだけで担うのは大変です。これからは外の人の力も借りていいのではないかと思います。社会教育施設との関わり方も多様化しているのです。
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| 5、これからの図書館、これからの私たち |
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私たちは支援者になります。支援者として、社会教育施設である図書館を、開かれた施設としての雰囲気の醸成だけではなく、単なる行政サービスの提供拠点から、皆がそこへ足を運んで、喜びも悲しみも怒りもいろんなものをそこで経験できるような地域コミュニティの核へと進化させるのです。
支援者の意義は地域とのつながりの強化にあります。支援者が地域住民とその施設をつなぐ橋渡し役になれば、地域のニーズや住民の意見は施設運営に反映しやすくなります。それは地域住民にとって、「ここは自分たちの施設だ」と思え、愛着や参加意識につながります。
図書館側にすれば、支援者は、人員や予算が限られる中で運営の一部を担い、施設活動の幅を広げてくれる心強い存在になるでしょう。また支援者の中に専門知識を持つ方がおられれば、より質の高いサービスが可能になります。
当然、いろんな方が出入りされることで、図書館が活性化して魅力が高まります。すると利用者数の増加につながります。また、支援者がそこへ足しげく通うのは「居心地がいい」から、大勢居て下さるのは「絆が生まれている」からです。施設の「社会的信頼」や「公共性」がより強く認識されるので、支援者の存在は公共施設にとって非常に重要だと思います。
そして、学び、成長の機会の獲得においては、支援者が活動を通じて学び・交流し、社会参加・自己実現をはたすことができます。高齢者や子育て世代にとっては、支援活動は「社会とつながる貴重な手段」になることもあります。
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| 6、まとめ |
| 支援者が継続して活動するか否かで、その施設のあり方や活動の質が変わります。図書館の多様性が進んでいます。皆さんが欲しいと思う図書館をしっかりと考えて頂きたいと思います。そしてぜひ市と共に、細く長く歩んでいただければと言う期待を込めまして、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。 |
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見学日: 2025年5月31日(土)午前10時~12時
案内者: 愛荘町立図書館長三浦寛二さん
概 要: 人口2万人、 面積37.98km2、 図書館数2館、
貸出数279,000点/年
重点方針:「資料提供」 「地域資源の収集と提供」 「子ども読書活動推進」
館の歩み: 1995年秦荘図書館開館
2000年愛知川図書館・びんてまりの館 開館
2006年2町合併
2007年Library of the year 大賞を受賞
(地域重視の運営、地域資料の収集提供を評価)
2009年愛荘町議会「愛荘町まちじゅう読書の宣言」を議決
特 徴: ①図書館が地域の読書に関する政策を立案
②子ども読書の支援を重点的に実施
③他課との連携
(例:他課の毎月のテーマに合わせて、関連書籍やチラシを配架)
④図書館はまちの誇りの施設として定着
思 い: 書店も減り、「活字がない」家庭が多くなる中、本にふれる環境は
図書館しかない時代。「使える図書館」が地域にあるのは、その地域の
今後の発展につながる。
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私たちはまず図書館が一体どういう方向に進んでいくか、ということを話し合いました。つまり本を読むということは、個人的な静かな作業です。でも今、話に出ているのは居場所づくりで、人が集まってわいわいする感じです。そのバランスをどう考えて、どこに向かっていくのが良いのか、というような話で、盛り上がりました。
また、図書館の人、司書の方たちがやっぱり生き生きと楽しそうに働いていらっしゃる場所であってほしい。そうするとやっぱり人が集まるんじゃないか。今の湖南市の図書館は、なかなかそういう意味では大変なのかなという話がありました。
図書館がなぜ必要かについて、付箋に書かれた内容を読み上げますと、「図書館は積極的に住民行政に向かって発信する施設である」。「そうであってほしいから、確かな情報を知る施設として存在してほしい」。「憩いの場として必要だと思う」。「デジタルもいいけど、紙もいい」。「学びの場として必要」。「子どもの居場所としても活用するために必要」。「新しい情報を発信する施設として必要」。「子供から高齢者までの居場所づくり」、「子供から読書を通じて興味を育てる場所」。「読解力、思考力表現力を養う社会教育の施設として必要」。「子供たちが集まるような図書館」。「利用してもらえるような図書館」。それから「本館とつながる図書館を。繋げていく人がいてほしい」、という付箋については、「小規模多機能自治の四つの施設の中に、図書機能ではなく、司書がいて、図書館としてちゃんと機能する施設を作ってほしい。そうすれば、居場所作りにもなるし、その地域の人たちが気軽に通える。本がある場所という意味では、一番理想として良いのではないか」という意見でした。
図書館はその町の文化だと私は思います。どういう町にしたいか、どう言う子供に育ってほしいか。図書館の存在は、その課題にとても大きく影響しています。そういう意味で、湖南市の子供たちが本を楽しむ時代を過ごしていける図書館であってほしいです。そして、その子供たちが大きくなって、我が子を連れてまたこの図書館へ来た時、「お母さんは、ここでね、こうだったんだよ」と言えるような、そんな街を、そして私が死んだ後も市民の人たちがそうなっていったら、すごく素敵だと思っています。
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図書館はどういうところか、というお話をしました。まず、「たくさんの情報を得るためにある場所」と言うのが出てきました。そして、「子供の興味を育む場所だ」、という意見が多かったです。また、「図書館は無料で使えて、快適に過ごせるので、自分の居場所として図書館はある」、という意見が一番数として多くありました。そこに気軽に行けて、どんな過ごし方をするかを規定されない、居やすい場所だと思います。
その他、「図書館は自分の頭で物を考えるための場所」、というのもありました。学校と違い、カリキュラムがあって何をしなさいではなくて、すべて自分に任されていて、自分の頭で資料を探して読む。結論も自分が考えるところなので、やっぱり考える力をつける場所というのがあると思います。
それと関連しますが、「学びの場所でもある」という意見がありました。そこには専門の司書、専門職がいてくれて、いろんな手助けをしてくれる。自分が自主的に、こういう資料を欲しいけれども上手く見つからない時は、信頼できる専門の司書に尋ねる。それも無料で尋ねる。ちゃんと勉強した司書であれば、信頼して相談ができる、そういう意見でした。昔からの資料をしっかりと保存して、使えるようにちゃんと並べておいてくれる、という機能もあるということでした。
図書館というのは、みんなにとって無料で使えて、頼りがいがある場所ということでした。
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私達は、図書館というのは、病院や学校や消防、警察などのように、「あるのは当たり前の場所」、ということで一致しました。図書館がなぜ必要かについては、「人との交流の場」であったり、「不登校の子が居られる場所」であったり、そういう居場所だという点です。
あとは、「レファレンスサービスが受けられる」というのも大きいです。ただ、今の湖南市は、リファレンスが追いついていないところもあるかな、という話も出ました。その他には、「実際にその図書館で、たくさんの本を見ながら選びたい」というのもありました。「移動図書館では冊数が限られていて、なかなか(本と)出会うことができない」、という意見が出ていました。
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